アニメ「恋と嘘」先行上映会にムサヲ登壇「読者さんに納得して頂けるものに」

アニメ「恋と嘘」先行上映会の様子。左から竹内崇剛プロデューサー、ムサヲ、担当編集の篠原健一郎氏。

ムサヲ原作のテレビアニメ「恋と嘘」の先行上映会とトークショーが、本日6月26日に東京・一ツ橋ホールにて行われ、原作者のムサヲ、担当編集の篠原健一郎氏、竹内崇剛プロデューサーが登壇した。

「恋と嘘」は政府の指名によって結婚相手が通知される、自由恋愛が許されない世界を舞台にしたラブストーリー。人生のパートナーを政府に決められてしまう主人公・根島由佳吏、由佳吏が思いを寄せる高崎美咲、政府に決められた由佳吏の結婚相手・真田莉々奈らの恋模様が描かれる。

アニメ1話、2話の上映後、壇上に3名が登場。舞台挨拶への参加が初めてのムサヲは「犬の散歩中に思いついた物語を、アニメという形でたくさんの方に観て頂けてうれしい」と、アニメ化したことへの喜びを語る。また担当編集の篠原氏は「気づけばもう来週にはアニメが放送開始。あっという間だった」と、長かったという準備期間を振り返った。

トークショーは「恋と嘘」の制作秘話からスタートした。別冊少年マガジン(講談社)で行われたラブコメコンペのために作られたという「恋と嘘」。そのコンペでは残念ながら落選となったが、その後に行われたマンガボックスのコンペに通って現在に至るという。ラブコメをあまり読んだことがなかったと語るムサヲ。篠原氏が「実はアンチラブコメ、みたいなところから入ったんです」と話すと、それを受けたムサヲは「『恋と嘘』では自分が高校生の時に『こんなラブコメが読みたかったな』と思うものを描いてます」と続けた。

また「政府が結婚相手を決める」というアイデアがどこから生まれたのかを問われると、ムサヲから「夕方のニュースで、婚活に勤しむ女性たちとか、結婚ができずに悩む男性、みたいなのをよく観ていて。ある時ふと『人に結婚相手を決めてもらったら楽なんじゃないかな』と思って。しかも政府が少子化対策とかでやったら面白いかなと」という答えが。また「恋は永遠のテーマ。人間同士のやり取りなので簡単にはいかないし、エネルギーがいる。特に趣味がたくさんあって忙しい現代の人が、もっともエネルギーを使うであろう恋愛をするのは、かなり疲れるんじゃないかなと思った」と話し、「恋と嘘」の特殊な設定が生まれた経緯を明かした。

さらに話題は原作の今後の展開に及ぶ。大まかな話の流れと終着点は決めてあるというムサヲだが、そのラストについては「説得力のある展開を描きたい。読者さんに納得して頂けるものにする努力をしていきたいなと思います」と話した。また対象的な2人のヒロイン、美咲と莉々菜について訊かれると「体型の描き分けをしっかりしたいですね。莉々菜は細くて小さくて可愛い、女の子が憧れるお人形体型。美咲は胸が大きくて、あまり細すぎないように」と、女性キャラについての独自のこだわりも語った。

トークショーの終盤では、篠原氏から「7月7日に『恋と嘘』のファンブックが出ます。今日の短い時間では話せなかったいろんな話が書かれてますし、ぜひ読んでみて頂けたら。ポストカードも付いてます!」という告知が。さらにムサヲが「週刊少年マガジン(講談社)で『恋と嘘』の袋とじをやることになりました。内容は仁坂の最愛の女が主人公です」と告げると、会場から歓声が上がった。

最後の挨拶で、ムサヲは「マンガというのは読んでくださって『好きだな、面白いな』と思ってくれる読者の皆さんがいて初めて成立するもの。アニメ化という機会を頂けたのもみなさんのおかげです」と、会場に集った観客たちに感謝の気持ちを述べる。そして「アニメが7月、実写が10月と今年は『恋と嘘』が盛りだくさん。でも原作はまだ2年ぐらいは続くので、それまで応援して頂けたらうれしいです」と語り、イベントは幕を閉じた。テレビアニメ「恋と嘘」は、7月3日24時よりTOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、BS11にて、25時よりtvkにてオンエアされる。